【artwork】『マイマイ新子と千年の魔法』
第14回 美術(4)
今回は、貴伊子の住宅の周りの美術とその資料を紹介する。ロケハンと資料写真を縦横無尽に組み合わせて、街路を再現していく様子が分かるだろう。その一方で貴伊子が住んでいる家については、「映画的な嘘」を大胆についているようだ。
●防府ロケハン写真(2007年3月)
現在の社宅を歩く片渕と演出・香月邦夫氏。「い」と「は」の間にはカイヅカイブキと芝生の緑地帯ができていた。
●Cut#218背景
緑地帯は昭和30年当時もあったようなので、これを再現してみる。
●2005年7月撮影の幹部住宅
地元で提供していただいた写真。ロケハンよりほんの2年弱前の写真。この昭和10年代築の社宅は、この直後の台風で破壊され、現存していない。
●昭和34年撮影の幹部住宅裏手側
このように家の裏手側もわかる写真も送っていただいた。幹部住宅が割りと和風な造りであることが判る。
●小金井公園ロケハン写真(2007年3月)「田園調布の家(大川邸)」
しかし、貴伊子には戦前期の中流階級のイメージを漂わせて見たかったので、小金井公園・江戸東京たてもの園にあった大正14年築の中流住宅を合成してみることにした。
●美術ボード兼Cut#228背景
そうして完成したのが半洋風の貴伊子の家。壁の羽目板が横張りになり、玄関がドアになった。
●小金井公園ロケハン写真(2007年3月)「田園調布の家(大川邸)」の食堂
貴伊子の家の一階内部は、基本的に小金井公園の大川邸に準じてある。
●美術ボード兼Cut#256背景
完成した貴伊子の家の食堂。ブルジョワジーの香り漂う。
【artwork】『マイマイ新子と千年の魔法』第15回へつづく
●『マイマイ新子と千年の魔法』公式サイト
http://www.mai-mai.jp
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