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COLUMN
池Pの すごい? カレイドスター回想録[池田東陽]

第2回 総大将VS道場主。そして神、降臨

第5話「いつも すごい 遠い家族」

 この回は兎にも角にもアフレコに尽きます。カレイドファンの方には有名な話かもしれませんが、Bパートの広橋さんの泣き芝居。時間の都合で音響監督さんに変わり、居残り特訓の広橋さん(苦笑)に佐藤監督が直接指示をされました。……噂には聞いていましたが「サトジュン恐るべし!」と思った瞬間でした。ここまで「ガップリ四つ」とは。正に道場マッチ。業界に入って、正直初めて「ああ、これがモノ創りなんだ」と思いました。何度も何度も「もう一丁!」とリテイクを出す監督と、泣き崩れ、もう芝居にならない我らが総大将……でも絶対に負けずに膝を付かない総大将。そして最後には、監督は制作スタッフに対し、「今の広橋さんの芝居がOKテイク。だからこの芝居に合わせて“絵のほう”を直そう」と言いました。そんな事が出来る現場状況ではなかったのに……。しかし、広橋さんが最後の一滴まで搾り出した頑張りにスタッフも涙し、踏ん張り、最高の1本が創れたと思っています。帰りは広橋さんと某チェーン店でうどんをすすりました。


第6話「小さくて すごい オットセイ」

 カレイドのキーワードとして定番にもなった「すごい」。実はこの回から来ています。毎回必ず「すごい」が入っていますが、これまでの話のサブタイトルには、そもそも入っていませんでした。これは放送直前の本読みの時に、この話から脚本として参加してくださった平見さんの本の仮タイトルに入っていた「すごい」を、「これ、全部に使っちゃうか?」「やっちゃうか? 言い切ってしまえ! “すごい”って」というその場の思いつきで満場一致(笑)、第5話からさかのぼってサブタイを修正しました。ですから当時、一部誌面で発表されたものとは変わってしまっているものもあります(入稿日時の関係ですね)。



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第7話「笑わない すごい 少女」

 2人の神が降臨した回ですね(笑)。ロゼッタと和田高明さん。ロゼッタは当初はスタッフ間でも「ゲストキャラの位置づけ」でしたが、渡辺さんのラフ上がりを見た瞬間、電気が走りました。「とんでもないものが上がってきたぞ! なんだこの怪物少女は!?」と。その後、意気込んで各所にロゼを売り込みに走りましたが、「単なるゲストキャラ」扱いで、どこも見向きもしてくれず門前払い。「くっそ〜! ロゼ人気が爆発しても知らんからな!」と独り言を繰り返してました(笑)。和田さんに関しては以前アニメスタイルさんが和田さんカレイド原画集を作ってくださり、そのイベントでウチの金子(和田さん専用制作進行)も言っていた「馬鹿みたいに枚数を使うので……」というのに同意。
 池田も同イベントで喋りましたが、企画段階のプロモーションビデオ作成時「2分で1000枚です!」と言ってるのに、2秒弱の1カット(しかもモブシーン)で300枚も使ってこられ……。佐藤監督自ら、別セルに描き分けした原画を同セルにして枚数を削りました。当時、池田はP業を止め、制作進行を行ったのですが、作業机に張り付いた横で文字通り頭を抱えている監督が印象的でした。後にポスターにもなってしまったラブラブキッスシーンも脚本にはありませんでした……。和田さん、グッジョブ!(苦笑) 軽い気持ちで僕が公式HPだかイベントで言った「ロゼッタマスター」の肩書きが定着しちゃいましたね(謝)。また、アバンで前回の再編集をつけるのもこの回から(DVDでは#6まで新規で作っています)。最初と言う事でこの回のみ佐藤監督がナレーション原稿を書かれまして、次回から、池田がナレーション原稿を書くことに……。「やってみるか?」と言われ、後先考えずに「やります!」と言ってしまいました。まあ、コッテリとしぼられましたね(苦笑)。でもあの時「やります!」と言えてよかったです。スロースターターでしたが、このあたりから俄然スタッフのモチベーションが上がっていきました。



■第2.5回へ続く


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(05.10.28)

 
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