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COLUMN
池Pの すごい? カレイドスター回想録[池田東陽]

第17回 “ロゼッタマスター”和田高明の仕事

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第52話「笑わない すごい お姫様」

 “ロゼッタマスター”と謳われた仕事人の渾身の1本。
 『レイラ・ハミルトン物語』とは違い、同じOVA媒体とはいえ、本作は“第52話”という位置づけになります。
 佐藤順一監督曰く“和田スペシャルな1本”。
 和田さんの作家性(クリエイター)と、和田高明という『カレイド』を知り尽くした男が共存する素晴らしいフィルムに仕上がっています。

 チームメイトとしてのその存在価値をプロ野球でたとえるなら“代打、八木”。
 『スラ○ダンク』で言えばミッチーの3ポイント。
 『キ○肉マン』で言えばラー○ンマン。
 『魁!○塾』で言えば二号生筆頭。
 『キャ○テン翼』で言えば松山の“イーグルショット”。
 『20世○少年』で言えばオッチョ。

 “誰にも有無を言わせぬ絶対的”な説得力ですね。
 頼もしい限りのメンバーに恵まれた事に感謝してます。

 今回はその和田さんにもコメントを頂きました。

 (以下、和田さん)
 え〜と、52話ですか? ……謎ですよね、ロゼッタというキャラは。
 ドジッ娘で、気位が高くて、情緒不安定で。自分でも分からないところの多い不思議キャラです。
 大体この娘、ブランコに乗れないんですよ? 脚本だとブランコに乗るとピクリとも動かなくなってお地蔵さん状態。レイラさんだったら、
 「あなたにステージに立つ資格はないわ!」
と一喝されて終わりです。まぁ、ソレ(レイラ対ロゼッタ)も面白いんですけどね(笑)。
 池Pから『第52話はレイラさん禁止』の通達があったので(レイラさんの事は『レイラ物語』で語るから)、ほとんど出てきませんが、この2人が直接ステージで出会っていたらどうなっていたんでしょうね? ちょっと興味があります。
 私の中ではレイラ“攻め”のロゼッタ“受け”ですね(笑)。レイラの一方的な言葉攻めに青ざめるロゼッタ、オロオロするそら。そんな関係。意外とマッコリーがかばうかも……。
 あぁ、妄想が止まりません!(笑)
 (以上)

 池田は和田さんの仕事が好きです。
 「振り返る」だけでいいのに頭をイジッたり、「椅子に座る」だけで記号として成立するのに1クッション置いたり、「飲み物を口に運ぶ」時の手の添え方だったり。
 はたから見てると、
 「あ、“ソコ”なんだ……。“ソコ”に力を使うんだ」
と思えるんです。
 同時に“カネ”も相当消費されるのは、この際見なかった事にしますが。
 まぁ、この人は相当偏った「癖(へき)」をお持ちのようですので(笑)。

 とにかくこの人、常時本気なんですよ。
 以前に某誌で「嘘? 本当?」という企画があり、そこで『カレイドスター2(魔法少女ロゼッタ=SF)』という設定の記事がありました。視聴者に大波紋を呼んだ例のヤツです(汗)。本来、誰がどう見ても明らかにオモシロ企画だという事が分かる誌面なのですが、その企画のために見開きで上がってきた画が“どう見ても”ホンモノにしか見えない力の入りよう……。クリエイターさんが楽しんで描いてくれた作品に対して、当然クオリティを落としてほしいなんて指示はできません。その上、背景さんも「マジ宇宙」のクオリティでスッゲー背景を上げてくださったんですね。
 「……スゲェよ。もう、やるしかないっすよね(覚悟涙)」
 で、やってみたら案の定……ファンの皆さん、申し訳ありませんでした(謝)。

 この第52話制作は本編終了前から決まっていました。
 ロゼッタで勝負も決めていました。それは『レイラさん物語』の構想が池田脳内にあったからというのもモチロンですが、先に書いた佐藤監督言うところの“和田スペシャル”が観てみたかったんですね。
 TV本編からつながる「メイ&ロゼ」の関係も重要。
 それは唯一無比で「そら&レイラ」のベルトに挑戦する資格を持ったタッグです。
 この貴重な第52話を介して、サウンドイリュージョンを含めたカレイドステージの“未来(あした)”が始まります。

 次回は『レイラ・ハミルトン物語』レビューです。


■第18回へ続く


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(06.03.10)

 
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