もっとアニメを観よう2011

第7回 三原三千夫が選んだ
「おそらく他の選者が推さないであろう名作たちベスト8」

  1. 『南無一病息災』(岡本忠成)
  2. 『A Boy Named Charlie Brown/
    チャーリー・ブラウンという男の子』(ビル・メレンデス)
  3. 『詩人の生涯』(川本喜八郎)
  4. 『Fritz the Cat/フリッツ・ザ・キャット』(ラルフ・バクシ)
  5. 『ふしぎな庭』シリーズ(ブジェチスラフ・ポヤル)
  6. 『草上の朝食』(プリート・パルン)
  7. 『The Thief and the Cobbler/
    泥棒と靴直し職人』(リチャード・ウィリアムズ)
  8. 「断面の世代」(束芋)

 おそらく、他の選者は推さないであろうけど、とても好きな作品たちです。
 なぜベスト8かというと、それくらいしか思いつかなかったからですが、YouTube等で観られる作品もあるので、ぜひ! おすすめです。

(1)人間の生死を描いた作品。力むことなく、しかし力強く、本当に素晴らしいです。
(2)スヌーピーの映画第1作。大人向けです。誰にでもある子供時代の“郷愁”をかきたてられます。アニメ映画ならではの演出が素晴らしい。(編註:公開題『スヌーピーとチャーリー』)
(3)不思議な作品。しかし、浸れます。
(4)まあ、ポルノなんですけどカッコイイです。アメリカって、ニューロークとロサンゼルスだと、作られるアニメーションって本当に違う。監督のラルフ・バクシは、アニメーション作りながらドラッグと女遊びしてたんだろうな、と思わせる作品。
(5)人形の造形も、アニメーションも、「萌え」ます!! CGでは出せないであろう味わい。チェコに行ってみたい。
(6)エストニアって小さな国で、しかも社会主義時代の作品ですけど、とにかく面白い。笑えます。それにセルアニメーションなんですよね。
(7)フルアニメーションという言葉そのままに作品化しています。したがって全て1コマで動いてます。狂気の作品ですが、未完成なのです。ファンエディションで観ることをおすすめします。
(8)現代美術の日本の作家には、アニメーションを重要な手法にしている方が何人かいらっしゃいます。インスタレーションって面白い。まあ作品群なので、美術館に行って観ないと面白くないのかもしれませんが。

●PROFILE
三原三千夫 アニメーター。近年は『ケモノヅメ』『カイバ』『四畳半神話大系』と、湯浅政明作品に続けて参加し、脚本・演出なども手がける。自主制作アニメ『2005年宇宙の旅』『おかしなホテル』も公開中。

(10.12.09)