もっとアニメを観よう2011
第26回 西尾鉄也が選んだ
「ワタシが何度見ても飽きないオープニングアニメ18本」
好きな作品自体を挙げていくと、ほかの方たちとさほど出てくるタイトルが変わり映えのしないラインナップになってしまいそうなので、こういう括りでまとめてみました。
年代が若干偏ってるのは、オッサンなのでご容赦ください。思いついたまま記していますので、ランキングではありません。
●『スプーン おばさん』「夢色のスプーン」
サビからのニワトリ、ひよこ、猫の紹介カットの動きの豊さ。
●『破邪大星 彈劾凰』「CROSS FIGHT!」
カッコイイBL影。ロケットパンチ的な技カットのダイナミックさ。曲も燃えます。
●『カウボーイ ビバップ』「Tank!」
画面構成がカッコイイですよね。アクションカットでのモーションブラーもこの当時は新鮮でした。
●『ハイスクール! 奇面組』「かしこ」
「奇面組」はたくさんのOP・EDがありますが1本挙げるならこれ。シュールな絵作りの後期にも傑作多し。
●『赤い光弾 ジリオン』「ピュアストーン」
破片と稲妻と木の枝……カッコイイ。
●『課長王子 HARD ROCK save the SPACE』「CAUTIONARY WARNING」
さっぱり意味はわかりませんが(笑)、初見のときはたまげました。
●『CITY HUNTER 3』「RUNNING TO HORIZON」
森本晃司さんとサンライズ、そしてジャンプ作品という組み合わせが新鮮でした。
●『Sci-Fi HARRY』「Mysterious」
なんかホラーな感じでおっかない映像ですが、表現の多彩さにしびれました。
●『機甲創世記 モスピーダ』「失われた伝説を求めて」
金田伊功さんものならこれを挙げます。中盤のドッグファイトシーンで戦闘機が垂直に入ってくるカットが好きです。初回オンエア時、「ああ、金田フォロワーさんたちががんばってるのかな」(←エラソーな中学生だ)と思ってたら、「オープニングアニメーション 金田伊功」のクレジットが! ワタシの目の節穴さが偲ばれるエピソードです(笑)。
●『おちゃめなふたご —クレア学院物語—』「勉強の歌」
当時ワタシは『おれは直角』に参加してたんですが、裏番組のこちらばかり観ていた思い出が。
●『あんみつ姫』「恋はくえすちょん」
南家こうじさんの作品ではこれがベスト1です。キャラデザインも最高です。
●『HARELUYA II BOY』「TIGHT-BREAK」
ノイズっぽいオープニングの嚆矢のひとつではないかと。
●『DAICON IV OPENING ANIMATION』
この括りとしてはちと趣向が異なりますが、曲とのシンクロが気持ちいい1本です。花びら爆発にセル表現の美しさを感じます。
●『NARUTO』「遥か彼方」「青春狂騒曲」
『NARUTO』もたくさんありますが、この2本がお勧め。自分が参加してるものは外そうと思ったんですが、「青春……」はやはり外せません。
●『鋼の錬金術師』「リライト」
序盤は静的なシーンで溜めて、サビからの大アクションつるべ打ちに心地よい開放感。
●『機動戦士Zガンダム』「水の星へ愛をこめて」
「ガンダム」系ではこれが最高。途中シネスコ風画面になるところは、ワタシの『お伽草子』オープニングが影響受けてます。
●『超獣機神 ダンクーガ』「ほんとのキスをお返しに」
キャラ紹介オープニングの見本のような1本。なんか観ててニヤついてしまう。
●PROFILE
西尾鉄也 アニメーター。Production I.G所属。『NINKU ナイフの墓標』で初キャラクターデザイン、初作画監督を務め、引き続きTVシリーズ『NINKU』も手がける。キャラクターデザイン、作画監督として、『人狼』『INNOCENSE』『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』『スカイ・クロラ』等のI.G作品に携わる一方、『NARUTO』シリーズのキャラクターデザインを鈴木博文と共同で担当している。
(11.02.01)