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COLUMN

三原三千夫の万国博覧会[三原三千夫]

第21回 ケシゴム考


 小学生の頃、授業中1日1回は、必ず机の上からケシゴムを落としてました。どうして、机の上からケシゴムが落ちるのか、ケシゴムが勝手に落ちるわけもないので、ボクが落としてるんでしょう。ワザと落としてるわけではないので、きっと落ち着きのない子供だったんでしょう。おぼえてないですけど。授業参観に来た母親に、身におぼえがないのに、落ち着きがないと、50センチの竹のモノサシで制裁を加えられてましたから。
 そんな事だから、長い間ケシゴムを最後まで使い切ったことなかったですね。使用していると、まず半分に割れて、その半分はどこかへ消えてしまい、また、その半分も半分に割れて、どこかへ消えてしまう。そうすると、残ったものも、どこかへころがって消えてしまう。まあケシゴムを最後まで使い切った人って、ほとんどいないでしょうけど。ぼくは半分くらいしか使ってなかったんじゃないかなあ。ケシゴム自体もモロかったんですかね。
 アニメーターになって、自宅作業中にケシゴムの買い置きがなくて、使用中のケシゴムも極めて小さくなってしまって、1センチ四方になったケシゴムで消していると、それが1ミリ大の球体になって、それで消しているとついには完全に使い切ってしまう、ということが何度となくありました。これは子供の頃からの成長と言えるでしょうね。2〜3時間くらいは座りつづけられるし。ちなみにボクは、ケシゴムがなければ絵は描けない、というくらいケシゴムは使用しますね。

●ケシゴム三態もしくはメメントモリ


■第22回へ続く
 


協力/マッドハウス
(06.03.28)

 
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