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COLUMN

三原三千夫の万国博覧会[三原三千夫]

第41回 20年間もあたり前に思ってきた事も……


 日本のアニメーターの大多数の人が、三起社製の作画机で仕事をしていると思うんですが、ディズニー等、欧米のアニメーターの使っている作画机とまったく形態が違うんですよね。
 何が違うかというと、トレス台の傾斜がまったく違うんです。日本のものは5度程度の角度で、欧米のものは45度程度の角度があるんです。
 日本は伝統的に、床に紙を置いて、正座して水分の多い岩絵の具や墨で絵を描いていた頃からの連続性で、ほとんど水平の作画机が使用されているんでしょう。戦前の写真を見ると、まったく傾斜のない机で仕事をしているように見えますから。
 片や欧米では、フレスコ画の様に壁に絵を描き、その後、油絵の具でイーゼルに、板またはカンバスを立てかけて、立って、またはイスに座って絵を描いていたので、作画机も自然に傾斜の大きな物が使われるようになったのでしょう。
 イスに座って仕事をすれば、自然とある程度の作業面の傾斜は必要なんだと思うんですが、もちろん個人差もありますから水平でもいい人もいれば、もっと傾斜の大きな物がいい人もいるんでしょう。しかし、日本では三起社の作っている机のみで、それも作業面の角度は調節できない物なんです。そして20年間、その机で仕事をしてきたんです。もっと角度の大きな机で作業したらどうなんだろうかと思い続けていたにもかかわらず、何の工夫もなく日々を過ごしてきました。しかしある事もキッカケのひとつとなって、そのあたり前に思って来た事を変えてみました。ホームセンターで購入した1本300円の3cm角の杉材を、トレス台のガラスの上端と机の間に入れて、プラス10度程度の角度を確保しました。
 目からウロコという言葉がありますけど、本当にそんなカンジです。
 「オレはなぜ20年間もお仕着せの机を使い続けてきたのか!
 その事に違和感を感じつつも、なぜ工夫しなかったんだ……!」
 としばしボーゼンとしてしまうくらいに仕事がしやすいんです。
 もう少し角度が欲しいんですが、それ以上角度を大きくすると、タップという金属製の板がスベリ落ちてしまうので、今のところは15度程度の角度で作業しています。話によると、磁石の力でタップのスベリ落ちをふせいでいる人もいるらしいですが……。
 それと、キッカケのひとつはギックリ腰なんですけどね。うつむいて絵を描くのが困難だったので。また、問題のひとつは、ほぼ毎日夕食に食べている「千倉屋」のお弁当がスベリ落ちそうになっている事ですね。そのうち、弁当転落事故が起こる事が予想されますが。

●自転車ショー歌って知ってます?
 ボクが自分なりにやりたい事をやれた唯一の作品なんですが、自転車アニメ『茄子』のコレクターズ・エディション版DVDのオマケとして作ったので、ほとんどの人が知らないし、観てもらってないんです。その中で作画した、女の子のゴーゴーダンスのループを再作画してみました。新作動画なので、版権問題はクリアしてると思うんですけど。キャラも変えてるし。

■第42回へ続く
 


協力/マッドハウス
(06.08.15)

 
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