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第23回 錬金術
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毎回このコラムは、手書きの文章を、マッドハウス資料室の博多さんにパソコンで清書してもらってるんですけど、ボクは字がキタナイんですよね。スイマセン。とにかく横線がウマく引けないんです。
線を引き始めてみないと右上りになるか、右下りになるか分からないんです。まっすぐ水平に線が引ける事はないですね。
絵のウマイ人でも線のキレイな人(たいてい字もキレイ)、線のキレイじゃない人(たいてい字もキタナイ)の2種類いるから線のキレイさと絵のウマさは直接関係ないのかもしれません。以前に、○△□という単純な記号を今敏さん、井上俊之さん、安藤雅司さん、その他の人々に描いてもらった事があるんですけど、あまりに単純な記号だと差が出てこなかったですね。その時の雑談の結論としては、「線のウマサと、絵のウマサは直接関係ないかもしれないけど厳密にはわからない」という事でした。スポーツにおけるストレッチやウェイトトレーニングのように、ある単純な作業。例えば○△□をくり返し描く事によって絵がウマくなる錬金術のようなカリキュラムはないかなあ、なんて考えてたんですけど、どうもないらしいですね。
それよりもウマい人の絵、たとえば「一ノ関圭」のマンガを寝る前に見るというような事の方が、効果はあるだろうなって井上さんは言ってました。一種のイメージトレーニングですかね。うまくヒットを打つような。まあ金を造り出す事も、不可能らしいですしね。超新星爆発の、大きなやつくらいじゃないと、金は産み出されないらしいですから。人間の力じゃとてもそんな大きなエネルギーは、発生させられないですから。地道に砂金をとったり穴を掘ったりして金を少しずつ集めるしかないって事でしょう。
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●ガラクタ女王
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■第24回へ続く
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