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COLUMN

三原三千夫の万国博覧会[三原三千夫]

第48回 ウニョンさんって知ってる?


 ここである人を紹介したいと思います。『ケモノヅメ』の#6の作画監督で、なんといっても、#10のアバンタイトルの演出、美術、作画をした人。ウニョン(EunYoung Choi)さん。
 ボクはすっかり、彼女のファンになってしまいました。ファンクラブ会員番号は1番ですね。韓国の人で、大学で彫刻を学んで、イギリスに留学してアニメーションを勉強して、日本でアニメーターになってまだ1年くらいで、動画の経験はなくて、初めから原画の人。
 この人は、これからのキャリアの積み重ね方によっては、世界的な仕事のできる人だと思います。とにかく最初に、ウニョンさんの原画を見た時に、「おっ! この人違うな。イイ線だな」と思ったボクの目は、確かなものですね。#10のアバンタイトルを観て、いきなりスゴイ仕事をするのでビックリしたし、興奮しました。まだ、みなさん、ウニョンさん知らないでしょ。ボクは知ってますよ。彼女は、ものすごく遠回りして日本のアニメ業界に入ってきて、偶然と出会いによって、ボクの裏側の席に座っているんですけど、本当によかったですね。
 日本の商業アニメーションは原画、動画を含めて、分業が確立していて、原画は原画っぽい線と絵、動画は動画っぽい線と絵、それってツマらない。アニメーションの始まった頃、原画、動画の分業はなかったんですけどね。均一で大量にアニメを生産するための分業が、もっとも理想的な形というわけではないと思います。ボクも、そうでない仕事をするチャンスがある時は、動画まで描きたいし、ボクの描いた線をそのまま画面にしたいし。とにかくウニョンさんの描く線はスバラシイです。その線が分業で失われてしまうのは、本当にもったいないし、彼女の個性を活かせない作品が多いので心配です。日本アニメ界に失望してしまわないように、彼女の個性と力を発揮するチャンスが、早く来る事を望みますね。ウニョンさんの作品を観てみたいし。ボクがプロデューサーで、お金も持ってたら、すぐに仕事してもらうけどね。
 とにかくウニョンさんの絵を見てください。



●「今回はウニョンさんの絵です」
 どうです。ボクが描いたんじゃないですよ。ウニョンさんですよ。

ウニョンさんのGIFアニメはこちら→

■第49回へ続く
 


協力/マッドハウス
(06.11.14)

 
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