ボクは20年間、アニメーターとして仕事をしてきたんですけど、アニメーターって職種的にはなんですかね、やはり職人でしょうか。司馬遼太郎は、アニメーターを画工さんと呼んでましたけど、着物や陶器でも最初にデザインをする人がいて、その見本にしたがって仕事をする、職人、工人がいますから、やはりアニメーターは、職人なんでしょうね。だから、というわけではないんですけど、ボクはセビロもネクタイも持っていません。雨の日に、電車で仕事に行くと、ホントにセビロにネクタイ姿のサラリーマンみたいな人が多いんですよね。セビロにネクタイでも、仕事は色々なんでしょうけど。
しかし、ネクタイってなんなんですかね。あのヒモ。冬はあれでは防寒にはならないでしょうし、夏はあんなものでも暑いらしいですしね。完全にデザイン上の問題なんでしょうか、あのヒモの存在する意味は。まあ、仕事でも、セビロネクタイの人をよく描くんですけど、確かに、ネクタイを描いてないと、なんとなくしまらないんですよね。そういう意味では、スゴイデザインなのかも知れないですな、実用性はないんですから。せいぜい、女の手足を縛るか、自分の首をくくるぐらいしか、使い道はないでしょうから。
でも、日本の成人男子の何割ぐらいが、セビロにネクタイなんですかね。半分以上かな。宇宙から見たら、地球を支配しているのはセビロにネクタイしてる人でしょうから。実際そうも思ってるでしょうし。しかし、セビロにネクタイというスタイルは、かれこれ100年は続いているんでしょうけど、なくならないんですかね、ネクタイ。300年後くらいでも。
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●花見
カエルにネクタイ |
■第28回へ続く
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